此方で取り扱うのは初めて、メルカリでもヤフオクでも殆ど出てこない希少品です。 74年頃の発売でしょうか。定価は￥24800。デザインとしてはクーガ113に影響を受けた感じの珍しい横長ですが、クーガよりも一回り大きいでしょうか。 通信機の様な大きなメーターが有り、その横に精密に文字が刻まれたチューニングスケールの円盤が置かれていてダイヤルノブを回すとギヤを介してゆっくりとスケールが廻ります。受信時の微調整が可能です。更に電気的なファインチューニングも有るので微弱電波を捉える能力は高いと思います。 但し、この時期ナショナルはクーガ2200で等間隔スケールとクリスタルマーカーでの正確な受信機能を実現しており、多少精度は劣るもののソニーもスカイセンサー5900で同じ機能を持たせていましたから、此方のモデルのチューニング機構は発売された時点で既に古いと見做された可能性はあります。 重厚なデザインと横型で有る事で、日立が作る電車に肖って「電車型」BCLラジオとも呼ばれていた様です。 発売当時に人気が出ずに後年になって希少性とデザインのユニークさから価値が上がるケースは多いのですが、このモデルもその典型で、オークションに状態の良いものが出されると熾烈な落札競争になる、と物の本に書かれています。 入手時点から全バンド受信との説明が有り、当初は原因が掴めませんでしたが、内部を開けて点検した所、チューニング機構の糸が外れている事が分かりました。回路図も内部の写真も殆どない為、糸掛けに丸一日掛かりました。他のモデルでは余り見られない構造ですが、バックラッシュは無く、割合に良い構造だと思いますが、周波数を再度合わせるのは結構大変でした。 機能は全て正常、タイマーも動き、2個のダイヤルライトも点灯します。バス、トレブルのトーンコントロール、ファインチューニングもOK、勿論ボリューム類のガリは消し、クリーニング済みの美品ででそのまま快適にお使い頂けます。 この大きさなのにACトランスは内蔵されておらず、アダプターは無いので、同じ6V定格の中華アダプターをオマケします。FM視聴には問題ありませんが、AM、SWにはノイズが乗るのでお勧め出来ません。電池(単一x4)をお使いください。 電池及び中華アダプターはおつけします。比較的強気の価格ですがリピーター様向けには価格交渉可能です。