約1億年前（98.89+/-0.62 Ma）に起源をもつ、恐竜時代のビルマ琥珀（バーマイト）の虫入りです。 体長1.9ｍｍの Hydrophilinae亜科のガムシが含まれています。分類学的に重要な付属肢（小あごひげ、触角、脚）が伸び、まるで昨日まで生きていたのではないかと思わせるような新鮮な個体です。黄色透明な琥珀に保存されていることもそのように見える一因でしょう。1億年もの間、よくもこの状態で保存されてきたものと感嘆します（あらためて保存媒体としての琥珀の偉大な特性を感じずにはいられません）。琥珀内の非常に薄い樹液の流れに腹部が張り付いているため、腹面の構造が明瞭に観察できないのが残念です。いずれにせよ、琥珀に見られる水生の甲虫はいずれも珍品です。 琥珀の大きさ：19ｘ7ｘ3ｍｍ ＃5811 画像1：ガムシ背・腹面（上）、自然光、黒背景での琥珀全景（下）。 画像2：ガムシ背面（左）、ガムシ腹面（右） 画像3：両方ともガムシ背面 画像4：両方ともガムシ腹面 画像5：透過光 画像6：自然光・白背景 画像7：手のひら 画像8：自然光、白タイル背景 画像9：自然光・黒背景での蛍光反応 画像10：UVライト照射時の蛍光反応 今朝配達局から郵便物を回収し、7つ簡易研磨、撮影は夕方に一部を済ませました。災害級の雨量が予想される中での悪天候のため、自然光での琥珀全景写真がいずれもシャープさに欠けます（後日、撮りなおします）。同定は時間のかかることですので、本日は科レベルで止めておきます。